この一戦を予想する⑧ ミスターX

「おデコで効かせるって、どんなパンチ?!」

元プロボクサー

ボクシングウォッチャー X さん





 世界4階級制覇をかけた、スーパーバンタム級初戦で、初めて向き合うアフリカン・アメリカンのチャンピオンも、無敗のまま2本のベルトを携えている。そういった要素があって、あの井上尚弥だって少しくらいは苦しむんじゃないか、と想像する人がたくさんいるのもわかる。それでも井上は、あっさり勝つと思います。井上尚弥のすごさがまた上書きされる圧勝。1、2ラウンドで終わると、予想します。フルトンは井上選手を慎重にさせられる選手ではなく、井上選手のパンチに、とくにあのボディショットに耐えられるとも思えないからです。

 まず、フルトンには黒人ならではのスピードと柔軟さがあるけれど、パワーは感じられない。それでは、井上選手を恐れさせることはできないですよね。たとえ距離が遠くても、井上選手はひょいっと入っていって、つかまえる。長身選手との対戦っていうことではちょうど、バンタム級で最初の世界王座を獲った時(2018年5月)のジェイミー・マクドネル(イギリス)戦みたいなイメージ。それを、いまの井上選手ならもっと高い精度でやってのけるだろうと思います。

 井上尚弥は、最強です。だって、パンチ力があって、スピードもあるんですよ。この二つが揃っている選手には、勝てないです。彼のパワーに驚嘆したのは、2014年12月のWBOスーパーフライ級挑戦。歴戦のチャンピオン、オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に、初回はじまって間もなく、おでこへのパンチを効かせて倒したでしょう。あれって、すごいことです。クルーザーとかヘビー級の試合でしか見ないですよ、おでこで効かせるなんて。本来、おでこはパンチを受け止めるとこ。固いおでこを殴ったら、拳の方が壊れちゃう、ふつうは。それが、ナルバエスは、おでこに右もらってフラフラっときた。どんだけパワーあるんだよ? ってびっくりしました。足元からの連動が、あのパンチを生んでいるんですよね。

 転級初戦も、問題ないと思います。むしろ減量からの解放感は恩恵で、転級1、2戦はとくにイキイキ戦うだろうなと想像します。フルトンには気の毒ですが、たぶんびっくりすることになるでしょう、あの強さに。ボディショットで終わり。願わくば、顔面ガツーンと、よりセンセーショナルなKO劇を見せてくれたら最高です。

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