この一戦を予想する⑦ 坂本 英生 さん

「今まで見られんかった尚弥選手の引き出しを、フルトンに引き出してほしいです」

元世界バンタム級ランカー

坂本 英生 さん





“階級の壁”を囁かれていますが、井上尚弥選手がその壁を感じてしまう試合内容になるのか、今までどおりの彼を見られるのか、スーパーバンタム級では未知数なところがあるのが楽しみ。

 僕がバンタム級からスーパーバンタム級に上げた時は、ただ減量が楽になっただけでサイズ感や能力的な差は僕のレベルでは感じなかった。どっちの階級でも強い奴は強かったので。でも、これが世界レベルとなると1.8kgの差はどうなるのか、拮抗してくるのか。スティーブン・フルトンもしっかりとした実力のあるチャンピオンやと思うので、そういう相手だったらどうなるのかな。

 勝敗予想は「井上尚弥がやっぱり強いんやな」になると思うし、勝ってほしい。でも、フルトンがポイントを持っていくみたいな展開を観たい。尚弥選手がリスクを負わないと簡単にパンチを当てられないシーンを観てみたいし、そこからの戦いに期待しています。もしかしたらおもしろくない試合になるかもしれないけど、そうなったときの攻防はきっとすごいはず。距離が長い選手に対してパンチを当てていくとか、切り崩していくのはそんなに簡単なことじゃないから、そこが見所。おそらく最初は長いレンジでお互い見ながら……という駆け引きをしよって、いつの間にか距離が縮まっとって、そうしよったらパンチが当たり始めて……って、そういう変化を見ていくとおもしろいと思います。

 本当は、フルトンと同様にリーチが長かったジェイミー・マクドネル(イギリス、元WBA世界バンタム級チャンピオン)戦でそういう展開を見たかったけど、あっという間に終わってしまった(2018年12月、井上の初回TKO勝ち)ので……。だけん、今回はいろいろな駆け引き、展開を見てみたい。

 フルトンの戦い方にも注目しています。尚弥選手の良さを殺す動きや距離の取り方、フットワークやポジション取り、ジャブの打ち方や試合運びをどうするのか。距離を取るにしろ潰すにしろ、どうやって打たせないようにするのか。足も使えて、リーチも長いから尚弥選手にとって急所が定まりづらいだろうし、フルトンはポイントの取り方をわかっているから無理もしないだろう。だから崩しにくい。そこを尚弥選手がどんな技術を使ってどういう工夫をして、どうパンチを当てていくのかを見てみたい。

 今まで見られんかった尚弥選手の引き出しを、フルトンに引き出してほしいです。

さかもと・ひでお◎フジタジム、戦績26戦17勝5KO5敗4分。現在、Myself BOXING(パーソナルトレーニング、福岡県)代表 
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