ライアン・ガルシアが再起
リング外はやや心配……

Photos courtesy of GoldenBoy Promotion, Text Yuriko Miyata
#GarciaDuarte @Goldenboyboxing #FloydSchofield
12月2日、アメリカ・テキサス州ヒューストンで行われたゴールデンボーイ興行。会場は、約3年前に井上岳志(ワールドスポーツ)がハイメ・ムンギア(メキシコ)に健闘したトヨタセンター。元WBC暫定ライト級王者ライアン・ガルシア(アメリカ、24勝20KO1敗)が再起戦に臨み、WBOライト級9位のオスカル・デュアルテ(メキシコ、26勝21KO2敗1分)を8回2分51秒でKOした。
鋭いジャブでスタートしたガルシアは、右アッパー、右クロスで先攻する。が、キャリア最大のチャンスに、ファンを味方につけるデュアルテの前進は止まらず、ガルシアはバックステップを踏み、疲れもみえ始めた。ショルダーブロックをして避けても返打がつながらず、背を向けることしばしば。5回、6回とコーナーに詰まる場面もあった。しかし強拳は健在。8回、ロープ伝いに下がりながら狙っていた左フックを効かせ、右フックから一気にフォローアップ。ひざまずいたデュアルテはカウント9で立ち上がったがカウントアウトされた。

4月22日にジャボンテ・“タンク”・デービス(アメリカ)とのビッグファイトで7回KO負けして以来のリングで、140ポンド、スーパーライト級の世界戦線への参入を明言。「世界チャンピオンになりたい。次は、ローリー。ローリー、いろいろ言ってるけど、どこにいる? 出てこいよ」と、現WBAスーパーライト級チャンピオンのローランド・“ローリー”・ロメロ(アメリカ)を名指しした。
今日のパフォーマンス自体は、その新しいゴールへの第一歩というよりは現状の確認、だったかもしれない。昨年の年間最高トレーナー、デリック・ジェームスと組んでの初陣、初黒星からのカムバック戦、という意味でも。
「なぜデュアルテととみんなに聞かれたけど、彼は本当にタフだった。2回か3回に終わらせるはずが、彼は岩のようだった。この試合で見えた課題にデリックと取り組んでいくよ」。

そしてリング外の状況も、まるくいくといいのだが……。
試合前の会見でマイクの前に立ったガルシアは、ゴールデンボーイプロモーション首脳のバーナード・ホプキンスとオスカー・デラホーヤ双方に対する不満をあらわにした。デュアルテを歓待し、ガルシアにとって決して簡単なマッチメイクでないことを強調する二人の言動に。「この戦いが僕のこの先を決めるって?それを決めるのは僕を日々磨いてくれているチーム。バーナードじゃない。オスカーが彼を勝たせて次のメキシカンスターにしようとしていることは、僕にもわかるさ」
ガルシアとデラホーヤはこれまでも公然と非難し合ったり仲なおりしたりの繰り返し。しかし、オフィシャルな会見の壇上での“反乱”は始めてかもしれない。表情をひきつらせて会見を閉じたデラホーヤは、試合後、プロモーターとして今後も長くガルシアを支えていくと語っているが、はたして。

そんな状況だったから、デラホーヤとホプキンスがWBAインターナショナル・ライト級王者フロイド・“キッド・オースティン”・スコフィールド(アメリカ、16勝12KO)、に向ける笑顔は、ちょっとオーバーにも見えたもの。だが実際、21歳のホープは、この日一番の快勝で、セミファイナルの大役を務め上げた(セミに予定されたオハラ・デービス対イスマエル・バロッソの一戦がビザの問題でキャンセル)。
対戦者のリカルド・ロペス・トーレス(メキシコ、17勝12KO8敗3分)が積極的に来たところを、スコフィールドは鋭く突いた。左ジャブ、もしくは左ロングアッパーと言うべきか、そのパンチで最初のダウンを奪うと、さらに3度トーレスをフロアに這わせ、初回1分51秒、レフェリーストップを呼び込んだ。ハンドスピード、当て勘、今日はドンピシャだった。