[Saturday Night Notes 12.02]

バルガス次男が判定勝ちで無敗守るも…

“番狂わせ”の30歳が今日のヒーロー

Text&Photo Yuriko Miyata

全勝のまま2023年を締めくくったバルガスファミリー
ハワイアンガーデン市で育ったマレスも会場に
でも今日のヒーローは、30歳エルナンデス
「相手を疲れさせることができると思った」
ファンからの祝福を受ける

 11月末のサンクスギビングデーが終わるとアメリカはクリスマス一色。カリフォルニア州ハワイアンガーデン、イルミネーション眩い住宅街の一角にある市民センターで、今日のマーブネーション興行は行われた。

 メインは、元世界王者フェルナンド・バルガス(アメリカ)が手塩に掛ける3人息子の次男、アマド・バルガス(10勝4KO)とエセキエル・フローレス(アメリカ、4勝3KO2敗)のフェザー級6回戦。11月11日に長兄フェルナンドJr.が初回KO、16日にトップランク社と契約する末弟エミリアノが2回KOでそれぞれ勝利しており、“バルガス・ファミリー”の2023年トリを務めるアマドは、終始、力いっぱい左ボディを叩き、上下への右ストレートと強振を続けた。が、KOには至らず。9月に17歳の俊才カーメル・モートン(アメリカ)に初黒星を喫しているフローレスが、粘りに粘る。右目下を大きく腫らしながら応戦。最終回は右アッパーでアマドのアゴを跳ね上げ、フルラウンドが終了した。

 採点は三者とも59対54で、バルガスを支持。父フェルナンドSrと兄弟たち、そして地元ハワイアンガーデン市で育った世界3階級制覇者アブネル・マレスらがリングの上で祝福した。

 この日一番盛り上がったのは、実はアンダーカードのスーパーフェザー級4回戦。

 黒いソンブレロをかぶって登場した1勝3敗の30歳、オズマル・オルモス・エルナンデス(アメリカ)が、5戦5勝3KOの23歳、オールデン・ロメリ(アメリカ)を判定で下す“アップセット”だった。

 エルナンデスは最初から果敢に前進し、とにかく手を止めなかった。ロメリが狙う左フック、右ストレートのカウンターにもひるむことなく、ぐいぐい前へ出る。「強い相手だとわかったけれど、中盤に、これは相手を疲れさせることができそうだと思って、攻め続けたんだ。彼のパンチが当たらなくなってきたのもわかったよ」とエルナンデス。3回に右眉から出血しても「気にしないようにした」。最終回終了前には無敗の若者を詰め切る勢いで追い込み、大歓声を受けて終了のゴングを聞いた。ジャッジ3者から39対37で支持されたエルナンデスは、ソンブレロをかかげ、観衆に応えた。

「実は20日前に来たオファーだった。無敗の選手とやることはもちろん、自分にとってはチャレンジング。でも、チャンスでもある。練習はしていたから問題なかった。彼は今日、初めて負けた。みんなそうやって学んでいくでしょう?」

 これまでも試合直前のオファーに応じてきたというエルナンデス。3敗の中には、今日のメインのアマド・バルガスへの判定0-2も含まれる。「あの時も急な話だった。けど、アマドにもタフな戦いを与えることができたと思っているよ」。

 2戦目以来1年ぶりの勝利。誇らしげなアンダードッグに話を聞いていると、うしろでたくさんの人が彼と写真を撮ろうと待っていた。おめでとうオズマル・エルナンデス、今日はあなたがヒーローです。

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